ラジオはいいぞ
小学校時代、学校でも家でも居心地悪かった私は
部屋にこもってラジオを聴いていた。
布団に入り、姉が使っていたラジカセをセットして
占い雑誌「マイバースデイ」のグッズである水晶のペンダントを眺めながら聴くという
あやしいスタイルでひとりの空間を作り上げた。
当時は大阪でFM802が開局し、バンドブーム全盛期。
次々とラジオから流れるカッコいい音楽にワクワクしていた。
将来はライブやイベントがたくさん行われている東京に行きたいな。
それまではなんとか生きていかないとな。
イジメがつらくて死にたいと思う事もあったけど、
音楽がその気持ちをかき消してくれた。
それから数十年後。
ウツから脱出するためにはどうしたらいいか考えていたところ
「昔好きだった事をやれば、楽しくて不安な気持ちも消えるかも」
と、再びラジオを聴き始めた。
昔は他地域のラジオを聴くために、夜中に窓際に陣取り
ラジカセのアンテナを目一杯のばして
ノイズ混じりのかすかなパーソナリティーの声をキャッチしていたが
今は月々400円弱で全国のラジオが聴き放題の
radikoプレミアムのおかげで、そんな苦労は不要だ。
DJさんの軽快なトークと新鮮な音楽は、
くすみまくっていた私の脳内を洗浄してくれるようだった。
テレビより情報量が少ないラジオを聴くことによって、想像力を司る
脳の一部が刺激されて良い効果をもたらすそうなのだ。
あと、ラジオのパーソナリティー宛に
多くのウツやパニック障害の人から
社会復帰できましたとお便りが結構届くそう。
確かに、外出するのも億劫だった私が
ラジオがきっかけでライブ参戦したり
バイトを始めたりしたもの。
ラジオ、あなどれない。